野球肩・野球肘｜町田シバヒロ接骨院

野球肩・野球肘について知っておくべきことは、これらの症状は肩関節や肘関節だけが原因ではないという点です。

例えば、猫背のまま肩を回す場合と、背筋を伸ばしたまま肩を回す場合では、使用される筋肉に違いが生じます。
猫背の場合、肩甲骨が外側に引っ張られた状態となり、肩甲骨周辺の筋肉が十分に使えず、腕の筋肉がメインで働くことになります。
その結果、腕の筋肉に関係する肩関節や肘関節に負担がかかり、痛みを引き起こすことがあります。

また、柔軟性や筋力が不足している場合も、無理に庇う動作を行うことで痛みが出やすくなることがあります。

野球肘と野球肩は、野球などで投球動作を繰り返すことによって生じる肘や肩の障害です。
主な症状としては、以下のようなものがあります。

1.痛み
・野球肘：肘の内側に痛みが生じ、特に投球時や投球後に強く感じることがあります。
・野球肩：肩の前面や後面に痛みが現れ、特に力を入れた投球時に鋭い痛みを感じることがあります。

2.可動域制限
・野球肘：肘を曲げたり伸ばしたりする動きに制限が生じることがあります。
・野球肩：肩を上げたり後ろに引いたりする動きが制限されることがあります。

3.腫れや熱感
・野球肘：肘が腫れたり、熱感を伴うことがあります。
・野球肩：肩周りの筋肉の張りや疲労感が増し、腫れを感じることがあります。

野球肘・野球肩は、オーバーワーク（オーバーユース）が原因となることが多いです。
過度な練習や一日の投球数が多すぎると、野球肘・野球肩になりやすいといわれています。
投球動作により、肩甲骨周りの筋肉や肩関節、肘に繰り返し負荷がかかってしまうためです。
そのため、投球数には注意することが必要です。

また、ミスユース、つまり無理な投げ方を続けることでも、肘や肩に負担がかかりやすくなります。
例えば、手投げだけで投げてしまう、猫背で背中が丸まった状態、股関節を十分に使えていないなどの場合、身体の一部に大きな負担がかかります。
そのため、正しいフォームで投げることを心がけましょう。

野球肘を放置すると、靭帯が骨に負担をかけたり軟骨が摩耗するなど、症状がどんどん深刻になることが考えられます。
悪化するほど回復に時間がかかりますし、その間は投球を中止しなければならず、本来のパフォーマンスを取り戻すことが容易ではなくなる可能性があります。

野球肩を放置すると、上記の症状に加えて痛みや不快感が慢性的になり、日常生活に支障が出る場合があります。
さらに、筋腱の断裂や疲労骨折などが起こると、手術が必要となることもあり、競技に復帰するまでに長期間を要する場合や、選手生命に影響を及ぼす可能性もあります。

1.カウンセリング
痛みや障害の原因を特定するために、詳細なカウンセリングを行います。

2.ストレッチと筋力トレーニング
患部の可動域を回復させ、周辺の筋肉や関節を強化するためのリハビリを行います。これにより、投球動作による負担を軽減し、再発防止が期待できます。

3.スポーツ復帰の段階的アプローチ
選手が痛みなく練習や試合に復帰できるよう、段階的な復帰プランを立てます。投球動作の再教育や、スポーツ特有の動作に必要な筋肉・関節の強化が含まれます。

4.予防策
予防には、フォームの改善やオーバーユースを避けるための休養が重要です。投球数の制限や適切なトレーニング方法、リカバリー期間の確保が推奨されます。

野球肘・野球肩を改善する上でのポイントは、タイプに関わらず「痛みが強い場合は投球を休止すること」が基本です。

休止と並行して、肘や肩周囲の筋肉のストレッチを行い、負担を軽減します。ただし、痛みがある場合は無理のない範囲で行うことが大切です。

加えて、物理療法も有効です。具体的には、超音波・低周波・低出力レーザー・アイシング・ホットパックなどを使用して炎症を抑えます。

さらに、投球フォームのチェックや体幹・下半身の筋力評価、全身のコンディション確認を含むリハビリテーションも、改善には欠かせないポイントです。